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tajkeyさんの公開日記
04月21日
22:25
(この日記は外部公開/動画はクラシカ外)

動画からお越しの方、ようこそ。
今度はテト英語Libの本来の使用法で英語曲です。耳ロボPの曲のカヴァー。

曲タイトルは、耳ロボPご自身が公開されているustのファイル名から頂きました。

元曲はこちら。生まれて4ヶ月のテトが英語に初トライした曲。

短いし、記念曲だし、どうせ誰か出すよね……え、出ないの? じゃ、貰った。

ちなみにこの曲が出た頃はみんながみんな、それぞれに競い合うように無茶をやらかしてた時期で、この1月後くらいに「Ave Verm Corpus(Mozart)」をテト混声4部、しかもラテン語で歌わせた猛者が出ましたし、それにちょっと遅れてテッド君が産声を上げてる。……私は直接見聞していませんが、熱がありましたね。いろいろ調べているとちょっと懐古厨モードに入っちゃいます。

空耳訳:俺みたいな零細クラシカ専にカヴァーとかさせんなよ。ジェバン二したがるパワフルな古参はどこいっちゃったんだよ!


閑話休題。以下、作業記録。

用語の定義
この文と試作動画2点に限った話ですが、私が英語libと表記しているものは、UTAUの標準的な用語では「英語用原音ファイルセット」を指すものです。VOCALOID(tm)の言い方では(音声)DBに相当するもの。
英語音源、という言い方もありますが、「音源」という言葉の紛らわしさを
回避したいので、英語libを省略表記として使ってます。

本文は長いので2回に分けます。
前半分が曲/詞とか言語とかの外から見た話
後半分は調整とか音素とかの英語Libそのものの話

目次
第1部) 
1)曲の想定シチュエーション
2)歌わせるにあたって
3)英語詞を譜に宛てる
4)発音などの基本と原音セットのつくり
第2部)
5)調整など
6)原音セットそのものへの雑感いろいろ
付)おまけ

本題に入る前に一言。うちのテトに可愛気がないのは仕様です。
どなたでも、もっと可愛く歌わせてやって下さい。聴きに行きます。

1)歌の想定シチュエーション

「テトのお話」というお伽話原作の舞台劇かなにか。
舞台の幕が開く時、お話が始まりますよ、と、案内役(狂言回し)の子が
歌い出す。その「狂言回し」の役を今のテトが演じてる。
そんな感じに調整しました。(当然マイクなし歌唱風味で)

これはいつものようにテトに「どう歌いたい?」ってお伺いを立てて、歌ってもらったときの私の脳内イメージがベース。
相変わらず良く通る声です……が、原曲の可愛くもちょっと切なく、という声ではなかった。テトさん(声が)成長したからね。

結構難しい役ですが、よくこなしてくれたと思います。
最後の名前(重音テト)さえも横訛ってますが、お話の設定上、テト自身はもういない、名前だけが残っている……ならば、文字+口伝でしょう。えてしてその人たち固有の発音に訛って伝えられて行く。そんな風に。

音屋のキャラ遊びです。
絵描きや物書きがやるように、音屋も遊びます……声で。

2)歌わせるにあたって

曲を譜に起こしてみて、ゆったりしたテンポを要求する曲だな、と思った。
だからテンポを1割強下げた。
そして気がついた。私のテンポだと、空耳歌詞では歌が成立しない。
ゆっくりしたテンポの曲を歌わすときほど、細かいところを丁寧に扱ってやると幸せになれる。これは、別に歌詞や発音に限ったことではないけど。

伴奏。テトさん、声が相変わらず謎の説得力をお持ちなので、グランドハープ1台まで減らして、音も少なくしました。空耳をオケで補ったり隠したりはいらない。
演出イメージとしては「竪琴を持った吟遊者」。(だけど、だからってアイリッシュハープとかは違う。音域・音質的に。アコギはありかな。)

3)英語詞を譜に宛てる

楽譜に元動画から拾った歌詞を宛てていきます。元曲聴きながら。

元曲、空耳をうまく使って音節を適宜省いてます。これが第一の関門。
表示される歌詞のままに単語を入れてみると複数シラブルが1ノートに突っ込まれてたりもする。around とか about とか、2音節目にアクセントのある単語ではアタマの a- が省略されてたり。
こういうの、空耳としてはいい方法なんですが、そのまま英語発音に置換すると音の据わりがなんとなく落ち着かない。
やはり欧文曲って、1シラブル1ノートが基本原則なんだな。

原詞優先で考えますが、こういうところはやむを得ません。手を入れました。

She is を She's (省略形)と2音節を譜面通りの単音節にしたり
アタマの省かれた a 音は前のノートの最後を分割して引っ掛けたり
前置詞を変えて音節数を調節したり。
4分を8分2つに分割してシラブルを振り分けたりもあったかな。

また、原曲動画で動画情報欄に歌詞の訂正補足のあった部分、
started to singは、補足の通りstarted singingに直しましたが
[start]-[(e)d to]-[sing]で空耳的にはうまいこと割れてたノートが
[[start][ed]]-[sing]-[ing]になって音の流れが乱れてます。
3ノートに4シラブルを無理矢理載せたので、調整しきれなかった。

ついでに時制や態、気づいた範囲で原詞を壊さないようにタッチアップ。

<詞についての余談>

耳ロボPの英語詞は散文で、詩(韻文)ではない。つまり、定型のアクセント/リズムを持たないので、歌わせるとき、更に一工夫を要したところがあります。
(韻文、って、ベタに近くても割にそれっぽくなるんですよ?)

歌っている物語の背景や骨格は変えないようにしました。けど……
She has so lovely voice ... and many people were healed
と歌うとこ、(確かにこの時期、そういう声でしたね。ひょっとしたら消えちゃうかも、って儚さもあった。)ここは私の脳内では so powerful .... encouraged って読み替えてましたw。テトさん、7歳、今や強いお姉さん。


4)発音などの基本と原音セットのつくり

欧州語やるとき、私が欲しいのはまずはしっかりした子音です。母音や他の子音と組み合わせた時に、語の音の性格や色を作れるもの。
(この点で今回の英語lib、とてもいい。あとで詳述。)

これね。例えば語尾子音。「耳で聴いて」って仰有る方の多くがこれを省く方向で調整なさる。確かに、日本語libで空耳歌詞入れる時は、母音成分を抜ききれないなら、いっそ省く方が違和感なく決まることも多いですね。

でも、これ、コトバとしてどうなんでしょうね?
英語とか米語、単数複数や時制に重要な意味を載せてますが、こいつら、大概は語尾変化なんですよね。それを消しちゃって意味が曖昧にならんもんか?
……今回やらせてみて、判りました。カギは単語と単語の間の繋ぎ。
TTEnglishHelperでCVVCの音素変換やってみると、きっちりこの単語間を繋ぐ音が入ってくる。成る程、これ、一気に英語らしくなります。ほうほう。
(この辞書変換、とてもいい出来。海外組か英語部の手が入っているのかな?)

思うに、英語(米語)圏の連中、次の単語への繋ぎをリエゾンさせる、そこの強弱をコントロールすることで語尾変化を聴かせてるんだ、と。実際、そう意識すると、会話でも、語間をうるさいくらいに聞かせるようにしゃべってるのに気づきます。
連中、ダテや酔狂で訛らしてるワケじゃないんだ。

改めて見直してみると、英語libのエイリアスリストには、単語間を繋ぐ以外に用途のなさそうな音がやたら入っています。

ノウハウ。このヘルパーツール使う時は、文の単位で変換させる方がいい。単語毎に変換させると、単語を繋ぐ音が自動で出てくるメリットが享受できない。
あと、このヘルパー、辞書にない単語が出てくると、考え込んで戻ってきません。(キャンセルは効く)どこかに別の辞書を探しにいっちゃうのかな?
英語外の単語や固有名詞などは外してから変換掛けた方が無難。

<発音についての余談>

個人の大雑把な印象ですが、リエゾン強めでワシャワシャ発音するのはUS西海岸語。東海岸とか英(エゲレス)語はもう少し単語が独立してて母音もクリア。ちょっとキシキシした発音かな。
まあ、きりのない話になります。外国語(音韻)の先生にでも訊いて下さい。


に続きます)

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